女性2名を受け入れる前に、寮とシフトで決めておくこと
女性の技能実習生を2名から受け入れるなら、寮・シフト・教える人の3つを、実習生が来る前に決めておく必要があります。とくに寮は、技能実習計画の認定で宿泊施設の基準が確認されるため、あとから直せない場合があります。人数が少なければ準備も軽いと考えがちですが、準備の中身は5名でも2名でもほとんど変わりません。
なお、ここで書く基準は2026年9月時点で技能実習に当てはまるものです。2027年施行予定の育成就労については、現時点の情報では、宿泊施設の扱いも含めて政省令で変わる可能性があります。
寮は「面積」と「1部屋の人数」から確認する
技能実習の宿泊施設には基準があります。寝室は、床の間や押入れを除いた有効な面積で、1人あたり4.5平方メートル以上が目安とされています。ほかに、個人ごとの私物を入れる収納、採光のとれる窓、暖房の設備も求められます。いずれも外国人技能実習機構(OTIT)が技能実習計画を認定するときに確認する項目です。
気をつけたいのは、部屋の広さを「畳の数」や「間取り図の表示」で判断してしまうことです。表示上の広さと、基準で数える有効面積は一致しないことがあります。1部屋に何人まで入れられるかも運用で決まっているため、借り上げ物件を探す段階で、間取り図と入居予定人数を機構の運用要領に照らして確認しておきます。基準の細部は更新されることがあるので、最新の運用要領で見てください。
女性の場合は、面積以外に次の3点を先に決めます。
- 浴室・トイレ・洗面の使い方(男性の従業員や外部の人が出入りしない動線か)
- 玄関や居室の鍵、周辺の夜道の明るさ
- 洗濯機、冷蔵庫、調理設備の台数
数字で決まっていないことほど、入国後に不満が出やすい部分です。

寮の費用は、実習生と会社のどちらが持つかを先に決める
家賃、水道光熱費、備品代を実習生に負担してもらう場合は、金額の根拠を明らかにして、本人が内容を理解した状態で決める必要があります。控除する項目と金額は、労働条件の書面にも関わります。ここを曖昧にしたまま受け入れると、監査や巡回のときに指摘を受けやすい部分です。
寮の規則は入国前から伝えておきます。MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、髪型や禁煙といった約束も入国前から決めています。禁煙は健康の話としてではなく、寮の火事のリスクと、本人の経済面の話として説明しています。「禁止だから」と伝えるより、理由を一緒に伝えたほうが守られます。
2名なら、寮は同室にするか別室にするか
2名の場合、同じ部屋に入れるのか、別々の部屋にするのかで迷う会社が多くあります。私たちは、面積の基準を満たすなら、同じ部屋のほうが不安は少ないとご案内しています。入国直後は、日本語が通じる相手がすぐ隣にいるだけで、生活のつまずきが小さくなります。ただし、これは個人の相性にもよるので、送り出し機関から人物像の情報をもらったうえで決めます。
巡回では、寮で集団生活をしていない人は生活面が見えにくいことも分かっています。家庭の事情で別居している場合、整理・整頓・清掃といった5Sが身についているか確認しづらいためです。2名の受け入れでも、寮に入れるかどうかで、巡回で見る範囲が変わります。

シフトは「いつから通常勤務に入れるか」を決めておく
入国後は、法定の講習期間があり、そのあと配属になります。配属された日から通常のシフトに入れるわけではありません。食品工場なら、最初の数週間は日勤の決まった工程だけを担当し、慣れてから早出や夜勤に広げる形が一般的です。
決めておくことは次のとおりです。
始業と終業の時刻。 寮から職場までの通勤手段と所要時間を含めます。自転車で通う場合は、交通安全の教育を先に行います。母国と交通ルールが違うため、配属直後がいちばん危ないからです。MOOZ事業協同組合では巡回のたびに、自転車の乗り方や道路の渡り方を教えています。
夜勤と早出の開始時期。 実習計画に書いた作業の範囲に収まるかも確認します。計画にない作業を任せることはできません。
残業の扱い。 労基署の監督では、残業に関する違反が多く指摘されています。2名しかいない場合、1人が休むと工程が止まるため、残業で調整したくなります。それを見越して、最初から余裕のある人員配置にしておきます。
教える人は、担当を1人に決めておく
技能実習では、現場で指導する人(技能実習指導員)と、生活面の面倒を見る人(生活指導員)を置きます。この役割は形だけ決めても機能しません。2名を受け入れるなら、同じ工程の先輩を1人、指導の担当にして、その人の作業量を減らす調整まで含めて決めておきます。
日本語の進み方は、一人ずつ違います。同じ時期に入った人でも、会話は第1課まで、文法は第9課まで進んでいるということがあります。2名がまったく同じ速さで伸びるとは考えず、指示の出し方を一人ずつ変える前提で準備してください。
何名まで受け入れられるかは、常勤職員の数で決まる
受け入れられる人数には枠があります。団体監理型では、受け入れ先の常勤職員の数に応じた基本人数枠があり、実習生自身は常勤職員の数に含まれません。たとえば常勤職員が301人以上の場合は、常勤職員の20分の1が基本の枠です。小規模な会社は、規模に応じた別の人数が決まっています。自社の枠は、実習計画を出す前に、常勤職員数で必ず確認してください。
「2名から」と伝えると驚かれることが多いのですが、多くの監理団体が5名からのため、その反応になります。MOOZ事業協同組合では2名から受け入れます。ただ、複数名まとめて受け入れたい工場や宿泊施設、介護施設の場合は、寮の部屋数、シフトの組み方、指導員の人数を合わせて計画するので、先に相談してもらうほうが確実です。
相談前に用意しておくもの
次の4点があれば、最初の相談で話が具体的になります。
- 寮にする物件の間取り図(面積と部屋数が分かるもの)
- 配属予定の工程と、想定するシフト(早出・夜勤の有無)
- 常勤職員の人数(雇用保険の被保険者数などで確認できるもの)
- 受け入れたい人数と、希望する時期
時期については、2026年9月時点で技能実習の受け入れ申請ができる期間に限りがあります。技能実習で今入れるか、2027年4月の育成就労を待つかは、いま一番多い相談です。どちらが合うかは、寮の準備がいつ整うかにも左右されます。
MOOZ事業協同組合は、三重県津市を拠点に、東海地方を中心にミャンマー人材の受け入れをご案内しています。寮の間取りを見ながらの確認も可能です。公式サイト(https://mooz-gr.jp)から、寮の候補とご希望の人数を添えてご連絡ください。制度の最新の扱いは、外国人技能実習機構と出入国在留管理庁の発表もあわせてご確認ください。